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Author:海心堂
大分市在住
 別府八湯温泉道第118代永世名人
 九州温泉道泉人
 奥豊後温泉郷マイスター
 黒川温泉湯巡り達人

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  温泉マイスター&シニア・マイスター
 温泉ソムリエ

 しんけん大分学検定中級
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豊後大友家の 「二階崩れの変」を巡る吉弘兄弟の「義と愛」 歴史小説「大友二階崩れ」

 

 

豊後大友家の 「二階崩れの変」を巡る吉弘兄弟の「義と愛」 

赤神 諒 著 「大友二階崩れ」

 

 2017年12月、第9回日経小説大賞(選考委員:辻原登、高樹のぶ子、伊集院静)を高い評価で受賞した小説「義と愛と」を改題、作品の舞台となった戦国時代の史実をタイトルにして世に問う本格歴史小説。

 

  「BOOK」データベース、「天文19年(1550年)、九州・豊後(現在の大分県)の戦国大名、大友氏に出来した政変「二階崩れの変」。時の当主・大友義鑑が愛妾の子への世継ぎのため、21歳の長子・義鎮(後の大友宗麟)を廃嫡せんとし、家臣たちが義鑑派と義鎮派に分裂、熾烈なお家騒動へと発展した。謀略、裏切り…揺れる家中での勢力争いに明け暮れる家臣たちの中で、義鑑の腹心にして義鎮の義兄でもある吉弘鑑理は一途に大友家への「義」を貫き、その弟の鑑広は数奇な運命で出逢った姫への「愛」を貫く―乱世に生きる男たちが命を賭して守り抜いたものとは。九州・豊後の戦国大名家に出来したお家騒動、重臣一家を通して骨太に描いた本格歴史小説。第9回日経小説大賞受賞。 」

 


 「二階崩れの変」の真相は今も謎に包まれている。この小説のなかでも、その謎は明かされていない。吉弘鑑理は主任の命に従い長子・義鎮を殺害しようとするが果たせず、変が治まった後にその責めを負わされる事になる。

 「義」を重んじ、時に不器用に生きる兄鑑理と、妻や子への「愛」を貫き、兄を助ける弟鑑広を通じて、男として、武士として、家長として、父として、夫として、戦国をいかに生き抜くべきかを問う物語だ。

 義鑑・義鎮・鑑理・鑑広・鑑連と登場人物の名前がややこしいのが一番の難点だが、これは我慢するしかない。

 主人公の吉弘鑑理があまりにも武骨で、その割にすぐに泣きだす男として描かれていて、そこに若干の違和感を感じた。

 

 作者の赤神諒氏は、京都市生まれで弁護士にして上智大学法科大学院で環境法を教えているという変わり種。大分県とは縁もゆかりもなく、受賞記念の座談会で「新人作家ごときが信長、秀吉、家康という大家が書いてきたものに何か付け足せるかというと、全然自信がない。誰も書いていないような、おもしろい武将がいないかと北の北海道から探していったところ、九州の大友家に行き着きました。大友家は、源平の平家に少し似ているかと思います。九州の6カ国を支配して、絶頂期を築くものの、いろいろな理由で最後はとことん追い詰められ、崩壊寸前に秀吉が九州に上陸する。ドラマチックな歴史を持った家です。」と、大友家を取り上げた理由を語っています。

 今後の出版予定として、7月に「大友の聖将(ヘラクレス)」と、9月に「大友落月記」の刊行が決定しているそうで、大友氏を巡る興味深い小説が続々と出版されるようで、実に楽しみです。



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別府を舞台にした警察アクション小説が発刊されました

 

 

別府を舞台にした警察アクション小説が発刊されました

矢月秀作 著 「刑事学校」 文春文庫

 

文庫の帯の紹介文 「大分県警刑事研修所・通称刑事学校の教官である畑中圭介が生徒たちと共にカジノリゾート構想の闇に立ち向かう。痛快警察アクション。」

 

 「BOOK」データベース、「畑中圭介は大分県警刑事研修所、通称「刑事学校」の教官である。6人の新米刑事に捜査術と刑事魂を教え込むため、全国の警察と連携を取り研修を進める畑中。そんな中、幼馴染の立石健吾が死体で発見され、研修生と共に事件解決を命じられる。畑中の、抑えきれない刑事の熱い血がさわぎ出す! 文庫オリジナル警察アクション。 」


別府の十文字原展望台で、立石健吾が他殺体で発見された。
立石は刑事学校教官の畑中の小中学校時代の同級生で、「丘の上グループ」という名うて不良グループの一員だった。
畑中は刑事学校の生徒たちに立石の過去を探らせる一方、丘の上グループルートで事件の背景を探ってゆく。
別府国際観光港の後背地である石垣地区にIR(統合型リゾート・カジノ)誘致を企む観光業者や商工会議所、代議士、暴力団と、反対する市民グループ の老人たち が描かれている。

登場人物たちは、甲斐、野口、衛藤、古庄、後藤、三重野など別府に普通に居そうな面々が勢ぞろいで、鉄輪、明礬、北浜など聞きなれた地名が出てくる。

物語前半に引かれた伏線が、後半にバタバタと解決していく感があり、少し物足りないが、スピード感があって読みやすい小説だ。

ひょっとするとシリーズ化されて、大分県内が舞台となるアクション小説が今後も発表されるかもしれない。




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ジャンル:旅行

澤西祐典著 小説「別府フロマラソン」」が発刊されました

 


 別府八湯を舞台とした痛快・ユーモア小説が発刊された。タイトルはズバリ「別府フロマラソン」である。

 作者は別府市在住で、別府大学文学部講師にして、2011年に「フラミンゴの村」ですばる文学賞を受賞した澤西祐典氏である。澤西氏を最初に知ったのは、昨年9月発売の「別府八湯温泉本」に寄稿された「別府七不思議」という一文であった。

 その後、文芸誌「すばる」20167月号の特集「読む温泉」中で、澤西祐典氏、円城塔氏、福永信氏による鼎談「別府を読む、別府を書く」が掲載されているのを知り、購読した。

 今年2月には別府大学で開催された「温泉と文学」と題するシンポジウムに参加し、澤西氏の別府八湯に対する並々ならぬ関心を目の当たりにした。


 

 そんなこんなで、澤西氏の手により別府八湯を舞台にした小説が上梓されないものかと密かに期待していたが、今回の発刊の運びとなり、ご同慶の至りだ。

 しかも、売上金の一部は昨年の熊本地震で浴屋が傾いて、惜しまれながら取り壊された路地裏の秘湯「梅園温泉」の再建資金に寄付されると聞き、よけい嬉しくなった。

 著者がこの作品を書くきっかけとなったのは、本書の「あとがき」に縷々綴られているが、要約すると「(その他の温泉地とは違い)、広大な市内に、湯がどばどばと垂れ流されいるーそれが別府だった。」との驚きと、「別府にゆかりがあるなしに関わらず、読者の方にも、この別府のおかしさを少しでも感じ取っていただければ作者冥利につきます。」との思いがあったようだ。

 作品の論評をすることはよしておくが、著述の中に思い違いをされている所があったので、別府ファンとして僭越ながら指摘しておきたい。

 

柴石温泉の長泉寺、「お寺の境内にお湯が湧いていて」→龍巻地獄からの引き湯で、紛うことなき「地獄の湯」である。

日田市の夜明温泉、「大分県と熊本県の県境」→大分県と福岡県の県境がより的確だろう。

亀川温泉の四の湯温泉、「熱海、有馬、道後温泉に続く「四番目の名湯」」→ここに掲げられた扁額には、「景行天皇がここに入浴した際に、伊予の道後、摂津の有馬、紀伊の牟婁に続く第四の名湯であるとされたことから名付けられた」とあり、熱海温泉ではなく南紀白浜温泉であろう。

鉄輪温泉の湯あみ祭りで温泉に浸かるのは、「一遍上人の石仏」→かつては木造像だったが、今は樹脂製のレプリカ像が湯あみされる。


      

 澤西氏は今作品を書いた時点で、第7037代別府八湯温泉道名人となられておられ、今年4月の別府八湯温泉まつりの名物イベント「第二回べっぷフロマラソン」を完湯するまでにのめり込んでいるようで、別府の舞台とした次の新作にも大いに期待したいものだ。

      



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あの日の私と温泉道

 


昨年3月にあるメールマガジンに投稿した原稿を転載します。


あの日の私と温泉道

あの日、2011年3月11日、東日本大震災が発生し、数多くの尊い命が失われた日。私は娘の高校入試の合格者発表の日にあたり、午前10時前に受験した高校に足を運んだ。無事合格を確認したのち、家内と娘は携帯電話の契約に行くというので、私は別府へ足を向けた。九州温泉道の修行の真っ最中で、未湯の3カ所を巡る予定だった。

 最初に向かったのは、観海寺の「いちのいで会館」、いつも通りに極上の湯を堪能し、「だんご汁定食」に舌鼓をうった。

 次に、塚原温泉を目指し、鉄輪・明礬・十文字原を過ぎ、大分自動車道に沿って走る道路を進んでいると、突然ラジオから「緊急地震速報が発表されました。強い揺れに警戒してください。自分の身を守ってください。震源が海底ですと、津波の恐れがあります。」と切迫したアナウンスが流れた。続けて、運転中の自動車を路肩に止めるようにとの放送が流れた。

 後でわかったことだが、TVでは予想される「震央地名」や「地域名」がテロップで表示されたが、ラジオではアナウンスの音声だけで、どのあたりが予想地域なのか分からなかった。いったん車を止め、様子を伺っていると、やや強い揺れを感じた。しばらく待って、塚原温泉に向けて車を走らせ、のんきに「火口乃泉」の強烈な酸性湯に身を任せた。

 浴後、再びラジオに耳を傾けると、東日本の太平洋側に津波警報が発令されており、その他の地域にも津波注意報が出されていた。想像を絶するような大地震が起こり、大津波の危険があるようだった。

さすがにのんきな気分も吹き飛び、次に予定していた「別府海浜砂湯」の予定をやめて(おそらく「津波注意報」で臨時休業だっただろう)、家に向かった。途中、別大国道ではパトカーや消防車が出動して警戒に当たっていたが、別府湾は平静さを保っているように見えた。

 その後、明らかになった大地震・津波による被害状況、福島第一原発事故の発生は、皆さんご存知の通りだ。この年の「別府温泉祭り」は、ほとんどのイベントを中止して、その予算を復興義援金として寄付したと後に聞いた。また、「別府温泉あったかプロジェクト」を立ち上げ、タンクローリーを仕立てて別府温泉の湯を送り、被災地の方々に入浴してもらったのは、別府らしいナイスな支援活動だった。


(写真は「別府温泉あったかプロジェクト」ブログよりお借りしました。)




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「おおいた温泉白書」が発刊されました

 


大分銀行の地域シンクタンクの大銀経済経営研究所より「おおいた温泉白書」が発刊されました。

2016年に大分県が策定した「おおいた温泉基本計画」や独自のアンケート調査により、「大分県の『温泉力』にスポットをあて、大分県の温泉が持つポテンシャルを一冊に取りまとめた。」としています。


この中で、「温泉が主目的の観光客の年間観光消費額」を、県外客70,752百万円、県内客19,931百万円で、合計90,683百万円と推計しています。

また、温泉の経済波及効果を123,646百万円とし、「大分県に温泉が存在することで、県内総生産を1.5%押し上げており、大分県の農業生産額構成比1.6%(686億円)と同程度となっている。」と推計しています。

今後の課題として、「温泉資源のポテンシャル拡大に向けて」と題して、
 「1.多様な温泉ツーリズムの展開、
   2.温泉資源を活用したイノベーション・研究開発の推進、
   3.温泉保護・適正利用の必要性、
   4.『おんせん県おおいた』の情報発信・ブランド化推進、
   5.県民意識の醸成」
を上げています。

一冊¥1,500(税抜き)と少々お高いですか、図表が豊富に使われ、分かりやすい内容となっています。

 



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