プロフィール

Author:海心堂
大分市在住
 別府八湯温泉道名人
 九州温泉道泉人
 奥豊後温泉郷マイスター
 黒川温泉湯巡り達人

 温泉マイスター協会
  温泉マイスター&シニア・マイスター
 温泉ソムリエ

 しんけん大分学検定中級
 別府八湯準カリスマ

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
ようこそ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR

澤西祐典著 小説「別府フロマラソン」」が発刊されました

 


 別府八湯を舞台とした痛快・ユーモア小説が発刊された。タイトルはズバリ「別府フロマラソン」である。

 作者は別府市在住で、別府大学文学部講師にして、2011年に「フラミンゴの村」ですばる文学賞を受賞した澤西祐典氏である。澤西氏を最初に知ったのは、昨年9月発売の「別府八湯温泉本」に寄稿された「別府七不思議」という一文であった。

 その後、文芸誌「すばる」20167月号の特集「読む温泉」中で、澤西祐典氏、円城塔氏、福永信氏による鼎談「別府を読む、別府を書く」が掲載されているのを知り、購読した。

 今年2月には別府大学で開催された「温泉と文学」と題するシンポジウムに参加し、澤西氏の別府八湯に対する並々ならぬ関心を目の当たりにした。


 

 そんなこんなで、澤西氏の手により別府八湯を舞台にした小説が上梓されないものかと密かに期待していたが、今回の発刊の運びとなり、ご同慶の至りだ。

 しかも、売上金の一部は昨年の熊本地震で浴屋が傾いて、惜しまれながら取り壊された路地裏の秘湯「梅園温泉」の再建資金に寄付されると聞き、よけい嬉しくなった。

 著者がこの作品を書くきっかけとなったのは、本書の「あとがき」に縷々綴られているが、要約すると「(その他の温泉地とは違い)、広大な市内に、湯がどばどばと垂れ流されいるーそれが別府だった。」との驚きと、「別府にゆかりがあるなしに関わらず、読者の方にも、この別府のおかしさを少しでも感じ取っていただければ作者冥利につきます。」との思いがあったようだ。

 作品の論評をすることはよしておくが、著述の中に思い違いをされている所があったので、別府ファンとして僭越ながら指摘しておきたい。

 

柴石温泉の長泉寺、「お寺の境内にお湯が湧いていて」→龍巻地獄からの引き湯で、紛うことなき「地獄の湯」である。

日田市の夜明温泉、「大分県と熊本県の県境」→大分県と福岡県の県境がより的確だろう。

亀川温泉の四の湯温泉、「熱海、有馬、道後温泉に続く「四番目の名湯」」→ここに掲げられた扁額には、「景行天皇がここに入浴した際に、伊予の道後、摂津の有馬、紀伊の牟婁に続く第四の名湯であるとされたことから名付けられた」とあり、熱海温泉ではなく南紀白浜温泉であろう。

鉄輪温泉の湯あみ祭りで温泉に浸かるのは、「一遍上人の石仏」→かつては木造像だったが、今は樹脂製のレプリカ像が湯あみされる。


      

 澤西氏は今作品を書いた時点で、第7037代別府八湯温泉道名人となられておられ、今年4月の別府八湯温泉まつりの名物イベント「第二回べっぷフロマラソン」を完湯するまでにのめり込んでいるようで、別府の舞台とした次の新作にも大いに期待したいものだ。

      



テーマ:温泉♪
ジャンル:旅行

あの日の私と温泉道

 


昨年3月にあるメールマガジンに投稿した原稿を転載します。


あの日の私と温泉道

あの日、2011年3月11日、東日本大震災が発生し、数多くの尊い命が失われた日。私は娘の高校入試の合格者発表の日にあたり、午前10時前に受験した高校に足を運んだ。無事合格を確認したのち、家内と娘は携帯電話の契約に行くというので、私は別府へ足を向けた。九州温泉道の修行の真っ最中で、未湯の3カ所を巡る予定だった。

 最初に向かったのは、観海寺の「いちのいで会館」、いつも通りに極上の湯を堪能し、「だんご汁定食」に舌鼓をうった。

 次に、塚原温泉を目指し、鉄輪・明礬・十文字原を過ぎ、大分自動車道に沿って走る道路を進んでいると、突然ラジオから「緊急地震速報が発表されました。強い揺れに警戒してください。自分の身を守ってください。震源が海底ですと、津波の恐れがあります。」と切迫したアナウンスが流れた。続けて、運転中の自動車を路肩に止めるようにとの放送が流れた。

 後でわかったことだが、TVでは予想される「震央地名」や「地域名」がテロップで表示されたが、ラジオではアナウンスの音声だけで、どのあたりが予想地域なのか分からなかった。いったん車を止め、様子を伺っていると、やや強い揺れを感じた。しばらく待って、塚原温泉に向けて車を走らせ、のんきに「火口乃泉」の強烈な酸性湯に身を任せた。

 浴後、再びラジオに耳を傾けると、東日本の太平洋側に津波警報が発令されており、その他の地域にも津波注意報が出されていた。想像を絶するような大地震が起こり、大津波の危険があるようだった。

さすがにのんきな気分も吹き飛び、次に予定していた「別府海浜砂湯」の予定をやめて(おそらく「津波注意報」で臨時休業だっただろう)、家に向かった。途中、別大国道ではパトカーや消防車が出動して警戒に当たっていたが、別府湾は平静さを保っているように見えた。

 その後、明らかになった大地震・津波による被害状況、福島第一原発事故の発生は、皆さんご存知の通りだ。この年の「別府温泉祭り」は、ほとんどのイベントを中止して、その予算を復興義援金として寄付したと後に聞いた。また、「別府温泉あったかプロジェクト」を立ち上げ、タンクローリーを仕立てて別府温泉の湯を送り、被災地の方々に入浴してもらったのは、別府らしいナイスな支援活動だった。


(写真は「別府温泉あったかプロジェクト」ブログよりお借りしました。)




テーマ:温泉♪
ジャンル:旅行

「おおいた温泉白書」が発刊されました

 


大分銀行の地域シンクタンクの大銀経済経営研究所より「おおいた温泉白書」が発刊されました。

2016年に大分県が策定した「おおいた温泉基本計画」や独自のアンケート調査により、「大分県の『温泉力』にスポットをあて、大分県の温泉が持つポテンシャルを一冊に取りまとめた。」としています。


この中で、「温泉が主目的の観光客の年間観光消費額」を、県外客70,752百万円、県内客19,931百万円で、合計90,683百万円と推計しています。

また、温泉の経済波及効果を123,646百万円とし、「大分県に温泉が存在することで、県内総生産を1.5%押し上げており、大分県の農業生産額構成比1.6%(686億円)と同程度となっている。」と推計しています。

今後の課題として、「温泉資源のポテンシャル拡大に向けて」と題して、
 「1.多様な温泉ツーリズムの展開、
   2.温泉資源を活用したイノベーション・研究開発の推進、
   3.温泉保護・適正利用の必要性、
   4.『おんせん県おおいた』の情報発信・ブランド化推進、
   5.県民意識の醸成」
を上げています。

一冊¥1,500(税抜き)と少々お高いですか、図表が豊富に使われ、分かりやすい内容となっています。

 



テーマ:温泉♪
ジャンル:旅行

文芸誌「すばる」2016年7月号のご紹介

 


集英社発行の文芸誌「すばる」20167月号の特集は「読む温泉」。

 


昨年1月の別府大学大学院主催のシンポジウムにおける、若手作家の澤西祐典氏、円城塔氏、福永信氏による鼎談「別府を読む、別府を書く」が掲載されています。


澤西祐典氏は、2011年に「フラミンゴの村」で第35回すばる文学賞を受賞し、現在、別府大学文学部の専任講師として別府市に在住しています。

また、芥川賞作家の円城氏の小説「地獄には河馬」は、「別府地獄めぐり」の様子が詳しく描写され、「山地獄」のカバの昭平が印象的に記述されています。

坪内逍遥大賞奨励賞を受賞した福永氏の「父と子」は理解不能ですし、「別府」という固有名詞も登場しません。

澤西氏の「地獄にて」は、鉄輪から「血の池地獄」に至る道中が丁寧に描写されています。著者は別府とは心中に来る所との思い込みが強いようです。

黒名ひとみ氏のエッセイでは、赤川温泉・長湯ラムネ温泉館・別府観海寺いちのいで会館が登場します。


なお、澤西氏は最新版の「別府八湯温泉本」にエッセイ「別府七不思議」を寄稿されており、温泉道初段(執筆時点)との事です。



テーマ:温泉♪
ジャンル:旅行