海心堂の温泉逍遥

日本一のおんせん県おおいた(別府八湯温泉道、奥豊後温泉文化伝)を中心に、九州の温泉(九州温泉道)の入湯記録

明礬温泉 奥みょうばん山荘

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12-69/1126 
別府八湯温泉道 No.154

明礬温泉 奥みょうばん山荘

 

♨噴気造成によってここの湯が素晴らしいものになっている♨

 

令和元年10月21日訪問

 

 塚原からの帰り道にここに立ち寄りました。敷地の東の端に噴気孔があり、ゴーゴーと音を立てて盛んに噴気を上げています。



 ここの分析書が厄介な代物で、ほぼ白湯に近い成分総量なのに、金気味や金気臭があると記述され、自然湧出の源泉に噴気を注入しているとしてあり、まったく湯の特徴が表わされていません。


 まあ、噴気造成によってここの湯が素晴らしいものになっているのは間違いないのですが、分析機関を見識を疑わざるを得ません。



 もう一つ不思議なのが、噴気造成の硫黄泉なのに硫黄の微粒子がある点です。噴気造成では湯の花はできず、硫黄成分が溶け込んで青白濁するのが普通です。


 その秘密が「下山後の温泉」というブログで明かされていました。「さらに配管を人為的にスケールが発生しやすい状況に改良し、浴槽内の温泉は白濁の硫黄成分が乱舞する素晴らしい名湯に仕上げています。特に冬は、大粒のスケールが発生しやすい状況で、私が利用した際も無数の湯の花が舞っていました。白濁した温泉、硫化水素の香り、乱舞する湯の花、これはもうほぼ「硫黄泉」です。」なんというこだわりでしょうか、脱帽いたしました。



 受付の最中に、福岡ナンバーの車のお嬢さんが来られたので、オーナーの計らいで広い方の内湯を使わせてもらいました。入浴中はそれほど濃厚な硫黄香を感じなかったのですが、インナーに香りが移ったのかその日はしばらくその香りが楽しめました。


 

【分析書データ】単純泉、95.2℃、PH5.7、成分総量12mg 無色・澄明・微金気味・微酸味・微金気臭 H21.12.14 自然湧出・蒸気注入

 

入浴料 ¥550

塚原温泉 火口乃泉

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12-68/1125 
別府八湯温泉道 No.100

塚原温泉 火口乃泉

 

♨露天風呂では湯色が緑味を帯びているのがわかる♨

 

令和元年10月21日訪問

 

 北浜海岸を後にして塚原温泉に向かいました。ここは活火山伽藍岳の中腹にあり、伽藍岳の火口に湧く源泉を使用しています。

 PH2.0の強酸性で、鉄・アルミニウムの金属イオンの含有量は全国で1・2位を誇ります。酸性の含鉄泉は旧泉質名は「緑礬泉」ですが、ここの露天風呂では湯色が緑味を帯びているのがわかります。



 京大名誉教授の由佐悠紀先生に教えて頂いたのですが、マグマの熱で溶けだした岩石の成分が水に溶けだしたのが火山性温泉ですが、PH2.0の強酸性はこの現象では説明がつきません。自然現象として地中に明礬の湯の花小屋のようなしくみがあって、この作用により酸性度が極端に高まっているのではないだろうか?との事です。これを証明するのは困難ですが、なんだかわくわくするようなお説です。



 別府温泉辞典によれば、「別府温泉の熱源域と考えられている伽藍岳は、鶴見火山群の北端に位置し、「鶴見岳・伽藍岳」として活火山に認定されています。標高1045m、またの名を硫黄山と言います。主な噴出溶岩は粘性の高い角閃石安山岩で、山頂部は2つの溶岩ドーム(溶岩円頂丘)に分かれ、南西斜面は径300mほどの円弧状の崩壊地形になっています。崩壊地の内側には、過熱蒸気(120℃)を含む活発な噴気活動が見られます。また、強い酸性(PH1~2)の温泉水が湧き出しており、その一部は塚原温泉の源泉に使われて、多くの入浴客に親しまれています。(後略)」。今日、火口を見学できるのは1995年7月頃に出現した熱泥を噴き上げる「泥火山」だそうで、それよりはるか昔から薬湯として利用されてきたのです。


 

【分析書データ】酸性・含鉄(Ⅱ,Ⅲ)-アルミニウム-硫酸塩泉,50.4℃,PH2.0,成分総量3697mg H27.8.21 微弱乳白色・澄明・弱金気味・強酸味・弱酸味・微弱硫化水素臭水素イオン10.1 鉄Ⅱ96.5 鉄Ⅲ78.7 アルミニウム236

 

入浴料 ¥600(露天風呂)

別府温泉 北浜温泉(テルマス)

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別府八湯温泉道 No.2

別府温泉 北浜温泉(テルマス)

 

♨かつての天然砂湯はこんな泉質だったのだろう♨

 

令和元年10月21日訪問

 

 海岸沿いにある市営温泉のこちらですが、水着で利用する屋外温泉プールがあります。といっても遊泳も飛び込みも禁止で、屋外健康浴というものだそうです。この日もオープン直後から、ベテランのお姉さま方が、指導員の指示に従い健康浴を楽しんでおられました。



 屋外には塩湯と名付けられた露天風呂があり、自家源泉で源泉掛け流しの塩化物泉があります。かつての天然砂湯はこんな泉質だったのだろうと想像されます。



 昭和初期までの別府の海岸線は、砂浜のいたるところから湯が湧き出し、天然砂湯となっていました。旧国道が海岸通りを貫く今の路線となり、護岸も高い堤防に変わった事により、消滅してしまいました。その後、泳げる砂浜の復活の機運が高まり、ここのお隣に人工砂浜のスパビーチができました。砂は他所から持ってきた花崗岩の白い砂で、本来の別府の海岸は安山岩の黒い砂のはずです。

 水着を脱いで屋内の浴室に向かうと、左に高温浴槽、右にはミスト付きの蒸し湯に続くぬるめの浴槽があり、一部はジャグジーになっています。露天風呂もあり、小さいながらもなかなか快適です。

 ただし、ここは別府市の温泉供給事業の富士見線の最下流にあたり、露天風呂以外は循環消毒されています。



 別府市営温泉はどこも、日々の清掃が行き届いていて快適なのですが、天然温泉特有の汚れの対処が課題です。ここでいえば塩湯の湯滝が黒く変色しています。汚れではありませんがみた目が悪く、薬品等で除去するなどの根本的に対処が必要な様です。

 

【分析書データ】(塩湯)ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉、49.5℃、PH8.7、成分総量1123㎎、無色・澄明・無味・無臭 21/3/5  メタケイ酸151

(内湯・露天)単純泉、58.5℃、PH6.9、成分総量727mg、無色・澄明・無味・無臭別府市温泉供給事業富士見線 H28.3.17  メタケイ酸151

 

入浴料 ¥510+150(水着代)


天ケ瀬温泉 駅前温泉

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100-2/266
 その他の温泉 日田市天瀬町桜竹

天ケ瀬温泉 駅前温泉

 

♨玖珠川の流れを見ながら、開放的な気分に♨

 

令和元年10月14日訪問

 

 久留米へ戻る途中で慈恩の滝に立ち寄りました。大分県観光情報公式サイトによれば、「玖珠町の西に位置する「慈恩の滝」は、日田市天瀬町と玖珠郡玖珠町の境に位置し、上段20m、下段10mと、合わせて約30mの落差がある二段滝です。また、滝の裏側へ向かうことができるため別名“裏見の滝”とも呼ばれ、夜にライトアップされる滝は、昼とは違う一面を見せます。上段は両側の岸壁に囲まれて奥まったところにあるため、正面からしか見えない絶景の滝です。」と紹介されています。滝壺に近づくとすごい迫力で、飛沫が降り注ぎ「濡れ鼠」状態になるので注意。


 

 天瀬町に寄り、ここでひとっ風呂いただきました。地名の表記がややこしいのですが、町名は「天瀬町」で、温泉名は「天ケ瀬温泉」です。

慈恩の滝DSCN7727 

 天ケ瀬温泉は1300年前の奈良時代に編纂された豊後国風土記にも登場する歴史ある温泉地です。ここには玖珠川の河原に5つの共同浴場があり、いずれも混浴で¥100と安価です。最近は「湯あみ着」の着用を推奨しているようですが、地元の方はそんなものは使いません。けど、ここは天ケ瀬らしい硫黄泉なので、浸かってしまえば混浴も気になりません。玖珠川の流れを見ながら、開放的な気分になれます。


 

【分析書データ】単純硫黄泉(詳細不明)

 

入浴料 ¥100


由布院温泉 名苑と名水の宿 梅園

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153-2/265
 その他の温泉 大分県由布市湯布院町川上2106-2

由布院温泉 名苑と名水の宿 梅園

 

♨由布院の名物辻馬車の誕生のきっかけは♨

 

令和元年10月13日訪問

 

 次の目的地に向かう途中、宇奈岐日女神社で辻馬車に出会いました。



 いまでは由布院の名物となった辻馬車ですが、その誕生のきっかけとなったのは、昭和50(1975)年4月21日に発生した大分中部地震で、M6.4の揺れで山下湖湖畔にあった九重レークサイドホテルの北東側の1階部分が崩壊し、その映像が大きく報道されて風評被害で観光客が激減しました。この苦境を乗り切るために始まったのが、観光辻馬車であり、湯布院映画祭であり、牛喰い絶叫大会だったのです。

 一万坪もの広い敷地を持つ「梅園」を訪ねたのは、やはり休日にCJO割引券が使えるからです。園内の最も高いところに男女別大露天風呂「天心の大湯」があります。落ち着いた雰囲気の脱衣所から浴室に入ると、目の前に由布岳が現れます。眺望のよい露天の岩風呂、厳冬期や雨の日用のガラス窓に囲まれた半露天の岩風呂、そして屋根の下には檜風呂があります。



 湯は由布院温泉らしい単純泉で、少しだけツルツル感が感じられました。加水があるとはいえ、この規模の浴槽を掛け流しで提供できるのが由布院の底力です。


 

【分析書データ】単純泉、60.0℃、PH7.3、成分総量623mg、無色・澄明・無味・無臭 H27.10.29 メタケイ酸245

 

入浴料 ¥100(CJO割引券)

由布院温泉 湯布院 彩岳館

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66-2/264
 その他の温泉 大分県由布市湯布院町川上2378−1

由布院温泉 湯布院 彩岳館

 

♨正面に秀峰由布岳を望む露天風呂♨

 

令和元年10月13日訪問

 

 日韓の関係悪化をうけて、由布院・別府はインバウンドが大きく減少し、湯の坪街道などは閑古鳥が鳴いていると報道されています。

 ならば、台風一過の好天に、金鱗湖湖畔の「下ん湯」を訪ねようと行ってみると、大勢の観光客で車はいっすんずり(大分弁で大渋滞で車が前に進まない様を表す)で、早々に断念せざるを得ない状況でした。

 もうひとつは地元情報誌の「シティ情報おおいた」の今月号は温泉特集で、取り上げられた施設の多くが「土日祝は割引券使用不可」のなか、こちらは土日もOKとの事で、有り難く湯を頂くことになった次第です。



 正面に秀峰由布岳を望む露天風呂は無色・透明でやや熱めの湯、由布院らしい穏やかな湯です。



 長野、関東、東北では台風19号の豪雨で大変な災害が起こっており、その最中に気が引けるのですが、秋空にすっくと立つ由布岳の雄姿を堪能しました。


 

【分析書データ】. 単純泉、52.6℃、PH7.6、P成分総量613mg、無色・澄明・無味・無臭  H22.8.11 メタケイ酸126

 

入浴料 ¥100(CJO割引券)

別府温泉 芝居の湯

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別府八湯温泉道 No.99

別府温泉 芝居の湯

 

♨窓ガラスにカルシウムが付着して庭園が見えない♨

 

令和元年10月6日訪問

 

 ここの正式名称は「別府市コミュニケーションセンター」といい、江戸時代の芝居小屋を模した桟敷席のある芝居小屋が再現されています。それで通称「芝居の湯」という訳です。

 別府市営給湯事業の石垣線系統で、堀田源泉の湯を尾の上泉源で再加熱して供給されていて、はっきりした硫黄香があるのが自慢です。硫黄成分の湯の花が布袋で漉し取られているのはもったいないですが。



 浴室内には大きなガラス窓があり、その先には落ち着いた趣の庭園が設えられているのですが、温泉成分のカルシウムが付着して、外が見えなくなっているのが残念です。これは色々な温泉施設で起こる事で、効果的な解決策はないものでしょうか。いい雰囲気の浴室だけにぜひ解決策を見出してもらいたいものです。



 分析書が更新されて泉質名が「単純硫黄泉」に変わりました。硫黄泉の定義はなかなか難しいので、おさらいしておきましょう。鉱泉分析法指針では、「温泉1kg中に総硫黄(S)[遊離硫化水素(H2S)、硫化水素イオン(HS-)、チオ硫酸イオン(S2O32-)に対応するものを2mg以上含有」とありますので、3イオンの合計が2mg以上あればよいのです。硫酸イオン(H2SO4)は総硫黄には含まれないので注意が必要で、硫酸塩泉の素となるイオンです。

 

【分析書データ】単純硫黄泉、63.8℃、PH5.8、成分総量818㎎、無色・澄明・殆ど無味・弱硫化水素臭 H31.3.4 メタケイ酸134 チオ硫酸0.3

 

入浴料 ¥270

地獄ハイキング 「JTB鉄輪街歩きガイドコース」ガイドレポート」(後編)

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  地獄ハイキング 「JTB鉄輪街歩きガイドコース」ガイドレポート」(後編)


 石段を下ると地区の共同浴場の「渋の湯」があります。ここには小型の「湯雨竹」が設置され、水を加えることなく源泉掛け流しでいい湯が楽しめます。ここの源泉は泉質が塩化物泉で保湿作用があり、弱酸性でお肌に刺激がなく、天然の保湿成分のメタケイ酸が689.6mgも含まれることから「美肌の湯」と言えます。



 広場を挟んだ向こうに「鉄輪むし湯」があります。ここは市営の施設で、石造りの蒸し釜で8~10分横になり、全身を温めます。蒸し釜の床には薬草の石菖が敷き詰められており、芳香を放ちます。鎮静効果や呼吸を楽にする効果があり、ひどい肩こりにも効果てきめんです。石菖は別府市温泉課の職員が大分県下のあちこちから採取していますが、蒸し湯で本物の石菖が使われているのは国内でもここぐらいでしょう。



 むし湯の裏手に旧富士屋旅館の建物があります。これは明治31年に建築、木造2階建桟瓦葺のカギ型の建物で、別府市内に残る最古の旅館建築物で、国の登録有形文化財に指定されています。それ以前の鉄輪温泉は食事を出さない貸間が中心で、一泊二食付きを始めたのはここが最初と言われています。筑豊の石炭王で柳原白蓮の夫であった伊藤伝衛門や、現麻生副総理の曽祖父の麻生太吉が定宿にしていました。



 庭内のウスギモクセイは県の特別保護樹木に指定されていますが、ちょうど花の咲き始めで、さわやかな香りが辺り一面に漂っていました。



 富士屋前の道路には「別府石」の石畳が残されています。別府石とは約一万年前に鶴見岳が噴火し、火砕流や土石流として、流れ出してきた角閃石安山岩の事です。かつての鉄輪の光景を残すため、ここだけは別府石を敷石として使っているのです。



 市営温泉の「熱の湯」に到着しました。ここは鉄輪で唯一の無料施設で、朝早くから夜まで客足が絶えません。裏に「旧熱の湯源泉」があります。この源泉は40℃に満たなかったそうで、ぬる目の湯が火照った身体の熱を取るのに効果があったのだそうです。





 

 熱の湯の裏に鉄輪断層の断層崖が聳えています。2016年の熊本地震の際にはこの断層崖の北側で大きな揺れが観測されました。NHKの人気番組「ブラタモリ 別府編」で、タモリが案内人の由佐悠希京大名誉教授と出会ったのがここでした。



 「洗濯場跡」はぬるい熱の湯の源泉が引かれていて、旅館の女中さんがシーツやタオルを洗濯していました。洗濯に熱湯は使えませんからね。



 いでゆ坂を左に折れると、しんきや旅館の前に小さなお堂が奉ってあり、一遍上人像が安置されています。実は右手に独鈷、左手に数珠を持つ僧形の仏像は弘法大師像なのてすが、ここでは一遍上人像(正しくは右手に蓮の花、左手に数珠)として祀られているようです。



 駐車場の向こうにヤングセンターの男湯が見えます。トラス工法の開放的な浴室で、2つの大きな浴槽を、色鮮やかなステンドグラスが取り囲んでいます。



 「旅館国東荘の源泉」が激しい噴気と熱湯を迸らせています。この装置は気液分離装置(セパレータ)といい、地中から自噴する噴気と熱湯を分離し、湯だけを浴槽に送る装置です。人の手によってこの装置が作られた事により、鉄輪の湯けむり景観ができたのです。



 ゴールの「地熱観光ラボ縁間」に到着しました。ここは平成25,6年に経済産業省の地熱理解促進事業の採択を受け作られた施設で、地獄蒸し料理や温泉熱利用によるブランドイチゴの栽培、別府の伝統工芸の竹細工などが体験できます。



 これでで今回の全行程を完了しました。参加者の皆さん本当にお疲れ様でした。この後はこちらでお待ちかねの極楽コース(懇親会)が行われます。



 次回は10月27日(日)に「観海寺-スパビーチコース」で開催します。一般参加の新コースですので奮ってご参加ください。
 11月30日(土)には温泉マイスター限定で、新コース「鶴見岳下山コース」を予定しています。往路はロープウェイで楽々登山、復路の下山をハイキングします。今も噴煙を上げ続けている赤池噴気孔や、山頂からの雄大な眺めにご期待ください。


地獄ハイキング 「JTB鉄輪街歩きガイドコース」ガイドレポート」(前編)

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地獄ハイキング 「JTB鉄輪街歩きガイドコース」ガイドレポート
 
温泉マイスター シニアマイスター  甲斐 心也

 NPO法人別府温泉地球博物館主催の地獄ハイキング2019年度の秋第1回は、令和元年9月28日(土)、「JTB鉄輪街歩きガイドコース」での開催でした。これは、温泉マイスター協会が2017年7月よりJTBからの要請を受け、全国からの旅行者に自然科学的見地に乗っ取って鉄輪の魅力を伝えるためのものです。その際のガイド役のレベルアップを目的にこのハイキングが企画されました。台風の発生などの影響で雨中のハイキングになる事が懸念されましたが、最後まで傘をさすことなくハイキングを終えることができました。

 14:30にスタート地点の「鉄輪共同駐車場」に集合した参加者は、お目付け役の京大名誉教授の竹村恵二先生、福岡県から参加の明石さんと川原さん、別府市から参加の山村さん、若松さん、小井さん、西村さん、ガイド見習い中の小関さんに、事務局の入江さん、久留米からガイドにはせ参じた甲斐の総勢10人です。



 スタート地点からは鉄輪断層の断層崖と、それに続く大観山と貴船城が見えます。2016年の熊本地震では、熊本県の日奈久・布田川断層帯が大きく揺れ、その振動が由布院や明礬・鉄輪に伝わり、この辺りの断層が動いたことで起こったとの解説がありました。また、大観山は約30万年前に噴火した火山で、粘度の高い角閃石安山岩の溶岩により釣り鐘状の山容になりました。実相寺山や高崎山も同時期に噴火した火山です。



 みゆき坂から地獄原温泉の先で左に折れて、ひょうたん温泉の「竹製温泉冷却装置」の前に到着しました。この装置は「湯雨竹」と名付けられ、100℃近い高温の源泉を短時間で40~50℃に冷やすことができる優れモノで、 平成16年4月、当時の大分県産業科学技術センター主任研究員の斉藤雅樹氏(現 別府温泉地球博物館理事、東海大学海洋学部教授)とひょうたん温泉社長の河野純一氏の共同開発により誕生しました。瀬戸内地方の流下式塩田で塩分濃度を高めるために使われる枝条架を参考にして開発されました。






 明礬薬師寺のお滝を源流として、鉄輪地区と鶴見地区を区切るように流れているのが「平田川」で、多くのあまり湯や廃湯が流れ込んでいます。そのため水温が高く、もう少し下流では熱帯魚のグッピーやティラピアが生息しています。



 通り沿いで「ホテル風月の源泉」が湯煙をあげています。鉄輪地区および明礬地区の 湯けむり景観は、文化財として国の重要文化的景観に指定されています。文化財保護法では文化的景観を「地域における人々の生活又は生業及び当該地域の風土により形成された景観地で我が国民の生活又は生業の理解のため欠くことができないもの」と定義されています。指定の理由としては、「豊富な温泉資源を活用し、共同浴場や地獄釜の蒸し料理といった生活、貸間・旅館などの宿泊業や湯の花製造業といった生業を成立させてきた、当地の土地利用の在り方を示す文化的景観として貴重である。」と記載されています。



 平田川沿いの昔の河川敷に共同浴場の「谷の湯」があります。今は引き湯になっていますが、かつては河原から湯が湧いていたのでしょう。別府市には100を上回る共同浴場があり、おおむね午前6時から午後10時までの間、¥100程度の低料金で利用できます。



 「地獄蒸し工房鉄輪」に到着しました。ここは市営の施設で、鉄輪温泉名物の地獄蒸し料理が体験できる施設です。施設のHPによれば、「摂氏98度、100%地熱エネルギーの温泉噴気を利用した、別府鉄輪温泉では江戸時代から用いられていた伝統の調理法「地獄蒸し料理」を体験できる施設です。」と紹介されています。鉄輪の温泉は塩化物泉、温泉の噴気で蒸すことにより食材にほどよい塩味がつき、美味しくお召し上がりいただけます。人気の施設で休日は90分待ちになることも度々です。鬼の口から流れ出す源泉は飲泉できます。昆布だしのような塩味と旨味、石鹸のような芳香が感じられます。









 併設の「足蒸し湯」と足湯は無料で利用できます。足蒸し湯は古くから別府に伝わる箱蒸し湯(首から下を覆う専用の箱に腰かけ、身体全体を温める首出しのサウナ)を参考にして考案されたもので、膝から下を蒸気で温めることで、身体全体が温かくなります。



 いでゆ坂を下り「永福寺」に着きました。山号は温泉山、住所は風呂本です。鎌倉時代に時宗を開祖となった一遍上人により創建されました。一遍上人は法力により鉄輪の地獄を鎮め、鉄輪温泉を拓いたと言われています。一遍上人は伊予国道後温泉近くの生まれで、そもそも温泉についての知識が豊富であった事と、仏教寺院では蒸し風呂に入るのが普通だった事から、地獄の噴気を蒸し湯として利用することを住民に教えたのでしょう。









 永福寺のすぐ横に「市有渋の湯上源泉」があり、活発に噴気を上げています。別府市は186孔もの源泉を有し、この源泉は渋の湯、鉄輪むし湯、熱の湯、地獄原温泉などに給湯されています。




後編に続く


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