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Author:海心堂
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あの日の私と温泉道

 


昨年3月にあるメールマガジンに投稿した原稿を転載します。


あの日の私と温泉道

あの日、2011年3月11日、東日本大震災が発生し、数多くの尊い命が失われた日。私は娘の高校入試の合格者発表の日にあたり、午前10時前に受験した高校に足を運んだ。無事合格を確認したのち、家内と娘は携帯電話の契約に行くというので、私は別府へ足を向けた。九州温泉道の修行の真っ最中で、未湯の3カ所を巡る予定だった。

 最初に向かったのは、観海寺の「いちのいで会館」、いつも通りに極上の湯を堪能し、「だんご汁定食」に舌鼓をうった。

 次に、塚原温泉を目指し、鉄輪・明礬・十文字原を過ぎ、大分自動車道に沿って走る道路を進んでいると、突然ラジオから「緊急地震速報が発表されました。強い揺れに警戒してください。自分の身を守ってください。震源が海底ですと、津波の恐れがあります。」と切迫したアナウンスが流れた。続けて、運転中の自動車を路肩に止めるようにとの放送が流れた。

 後でわかったことだが、TVでは予想される「震央地名」や「地域名」がテロップで表示されたが、ラジオではアナウンスの音声だけで、どのあたりが予想地域なのか分からなかった。いったん車を止め、様子を伺っていると、やや強い揺れを感じた。しばらく待って、塚原温泉に向けて車を走らせ、のんきに「火口乃泉」の強烈な酸性湯に身を任せた。

 浴後、再びラジオに耳を傾けると、東日本の太平洋側に津波警報が発令されており、その他の地域にも津波注意報が出されていた。想像を絶するような大地震が起こり、大津波の危険があるようだった。

さすがにのんきな気分も吹き飛び、次に予定していた「別府海浜砂湯」の予定をやめて(おそらく「津波注意報」で臨時休業だっただろう)、家に向かった。途中、別大国道ではパトカーや消防車が出動して警戒に当たっていたが、別府湾は平静さを保っているように見えた。

 その後、明らかになった大地震・津波による被害状況、福島第一原発事故の発生は、皆さんご存知の通りだ。この年の「別府温泉祭り」は、ほとんどのイベントを中止して、その予算を復興義援金として寄付したと後に聞いた。また、「別府温泉あったかプロジェクト」を立ち上げ、タンクローリーを仕立てて別府温泉の湯を送り、被災地の方々に入浴してもらったのは、別府らしいナイスな支援活動だった。


(写真は「別府温泉あったかプロジェクト」ブログよりお借りしました。)




テーマ:温泉♪
ジャンル:旅行

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