海心堂の温泉逍遥

日本一のおんせん県おおいた(別府八湯温泉道、奥豊後温泉文化伝)を中心に、九州の温泉(九州温泉道)の入湯記録

せーので測ろう!別府市全域温泉一斉調査2018 レポート

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せーので測ろう!別府市全域温泉

一斉調査2018 レポート

 2018年9月29日、別府市、別府ONSENアカデミア実行委員会、市旅館ホテル組合連合会、NPO法人別府温泉地球博物館、京都大学大学院理学研究科付属地球熱学研修施設の共催で、別府市内の温泉の泉温を一斉に調査するイベントが開催されました。

 午前9時に別府市市役所に集合した参加者は、自然科学の研究者や温泉マイスター、一般の温泉愛好家、東京都市大学馬場ゼミの学生、市役所の職員など総勢52名でした。この日は台風24号の接近が予報されており、やむなく参加を見送られた方々もあり、昨年に比べ人数的にすこし寂しいものとなりましたが、いずれ劣らぬ温泉好きの強者ぞろいで、熱のこもった一日となりました

 まず、12班6グループのメンバーが発表され、お互いに自己紹介の後、事務局より調査方法の説明を受けました。



 今回調査対象となったのは市営温泉や共同浴場が主で、調査活動は順調に行われました。

 我が3班は、「別府温泉地球博物館」館長の由佐悠紀先生と、福岡から参加の建築コンサルタント会社の五十嵐さん、横浜から2度目の参加の馬場ゼミの國井さんと私の4名でした。




 小雨が降りしきる中、最初の採取地の竹瓦温泉に向かいました。現地に着くと、市役所の温泉課の職員の方が先回りして準備をしてくれていました。竹瓦温泉には3本の源泉がありますが、この日は男湯用の源泉を採取しました。男性脱衣所の目の前、通路上に源泉があり蓋が開けられると、直径50cmくらいのすり鉢状の穴があり、勢いよく湯が湧き出していました。といっても、コンプレッサーの圧力で汲みだす動力揚湯ですが。穴の壁面にはアイボリーの析出物が付着していて、土類泉(ナトリウム・カルシウム・マグネシウム−塩化物・炭酸水素塩泉)の特徴を示していました。泉温を図ると51℃で、分析書(H21.3.9)の53.8℃よりは少し低いようです。ここは貯湯タンクはなく、この源泉が直接、浴室の源泉桝に注がれています。採水菅3にサンプルを採取して、次に向かいました。


 次は永石温泉ですが、市役所の仁田原さんが先導してくれるので、途中も最短距離で移動できました。

ここは浴舎の裏手に源泉と貯湯タンクがありました。貯湯タンクがある温泉は、源泉から直接採取する事が難しく、タンクに溜まった湯を採取する事になります。浴槽に湯がさかんに供給されていれば、源泉との温度差は少なくなりますが、結果はどうでしょうか。ここは「ナトリウム-炭酸水素塩泉」に近い単純泉で、計測した泉温は49℃、分析書(H21.3.9)では49.3℃で、ほぼ一致していました。一生懸命に泉温を測っているのは4班馬場ゼミの高野くんです。


 3カ所目は不老泉です。建物の左側、駐車場の奥に源泉と貯湯タンクがありました。ここは源泉から貯湯タンクをつなぐ送湯管の途中に取水口があるので、かなり正確な測定が出来たのではないでしょうか。ところが測定した泉温は50.5℃で、分析書(H26.6.30)の43.3℃とは大きく違っていました。平成26年8月のリニューアルオープンに際し、源泉の再採掘を行っていて、分析書はそれ以前のものではと考えられます。



 ここの浴槽は熱湯(44℃)とぬる湯(42℃)に分けられていますが、別府市営温泉でこのやり方は海門寺温泉に続いて二カ所目で、その後は亀陽泉、そして現在浜脇温泉がこの方式への工事中です。個人的には42℃はぬる湯というにはいささか熱く、どうせなら40℃ぐらいがよいのではと思います。


 最後は田の湯温泉で、建物の右手前の通路下に源泉がありました。こちらも送湯管の途中に取水口が設けられていたので、正確な計測が出来ました。測定結果は57℃で4カ所中最も高温でした。分析書(H26.3.3)では51.0℃でしたが、H27年の秋ごろに再採掘を行っていたので、分析書はそれ以前のものの様です。



 オレンジの雨合羽を着ているのは、この日の測定を手助けしてくれた別府市温泉課の職員さんです。市営温泉を順番に回って、源泉や総湯管などのメンテナンスを行う傍ら、鉄輪蒸し湯で使う薬草の石菖の採取のために県内各地を走り回るのも仕事の一つだそうです。



 泉温の測定とサンプルの採取は10:00前には終わり、一度市役所に戻りました。4班のなぎささん達と一緒に、春香園で別府冷麺を食べることになりました。別府冷麺の特徴は、①スープが魚介系のあっさり味、②麺はそば粉をブレンドし、その都度手打ちの生地を製麺機で押し出す茹でる、③トッピングのチャーシュウは牛肉、④キムチはキャベツで作った酸っぱめのもの、などと偉そうに講釈を垂れていたら、こちらはチャーシュウは豚肉で、キムチはダイコンでした。でも、みなさん喜んでくれたのでヨシとしよう。



 午後の開始まではまだ一時間以上あったので、國井さんのリクエストにお応えして、友永パンに向かいました。國井さんは昨年も同じ班で、偶然買ってあったパンをお土産に差し上げたのですが、今年は絶対に買って帰ろうと考えていたとの事で、ご案内しました。天候のためか、いつになくお客さんが少なく、あっという間に買い物が終わりました。


 午後からはサンプルの測定・分析です。各班2カ所の源泉の電気伝導度・PH・塩化物イオン・硫酸イオン・炭酸水素イオンを測定しました。測定機器の数が少なく、すこし時間がかかりましたが、無事分析を終えることができました。なかでも、炭酸水素イオンは「滴定法」といって、サンプルに指示薬を入れて色を付け、一滴ずつ塩酸を滴下して指定の色になったら、滴定量から炭酸水素イオン濃度を計算するというもので、やはり経験が物を言うようでした。



 最後はプロジェクトリーダーの龍谷大学山田誠講師から、3年間の成果と今後の目標について説明があり、東京都市大学の馬場教授からは「別府での将来シナリオ作り-ステークホルダーと行政、専門家の協働による水・エネルギー・食料ネクサスの解決-」と題した提言が発表されました。この研究成果は今年11月に、一冊の本として出版されるそうので、注目して行きたいと思います。


 会議後の懇親会でもいろんな方とお話しができて、とても楽しかったのですが、東海大学海洋学部教授で別府八湯温泉道の仕組みを作られた斎藤雅樹先生に、「おおいた県温泉道」が実現しない理由をお聞きしました。

 JRグループ6社による観光キャンペーンのデスティネーション・キャンペーンが、平成27年7月から9月に大分県を舞台に実施された際、それに合わせて「おおいた県温泉道」と実現しようとする動きがありましたが、結局、実現しませんでした。

 その理由はとてもシンプルで、スタンプの管理が大変だという事でした。遠くから入湯に来て、スタンプがなくなっていたら、そのフォローを誰がするのかに尽きると。別府は市観光協会が、九州温泉道では最寄り駅の駅長が責任者となっているそうです。

 解決策としては、スマホのアプリでの対応が最有力で、スタンプを押さないスタンプラリーにするしかないと教えていただきました。だれかこの仕組みを開発してくれないかなぁ!!! 

海心堂

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