海心堂の温泉逍遥

日本一のおんせん県おおいた(別府八湯温泉道、奥豊後温泉文化伝)を中心に、九州の温泉(九州温泉道)の入湯記録

第3回別府ONSENアカデミア

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第3回別府ONSENアカデミア

 平成30年11月10日(土)、別府ビーコンプラザで「温泉の様々な魅力を検証し、大切な資源である温泉を守りながら、国内の多くの温泉地とともに新たな温泉の可能性を全国、そして世界に向けて発信する温泉のシンポジウム」、第3回別府ONSENアカデミアが開催されました。




 10:00からの開会式に続き、「別府八湯の温泉資源保護の現状と取り組み」と題するシンポジウムでスタートしました。コーディネーターは東海大学海洋学部教授の斎藤雅樹先生で、「別府は地熱と人が近い町」で、「温泉に関する自然科学研究の成果が蓄積されている稀有な町」との紹介がありました。


 パネリストのおひとりの環境省自然環境整備課温泉保護利用推進室長の山本麻衣氏は、「温泉法」を所管する部署の責任者です。


 日本温泉地域学会会長で温泉評論家の石川理夫氏は、今年6月発刊された「温泉の日本史」の中で、奈良時代に編纂された「豊後国風土記」を取り上げるとともに、「別府は温泉の多目的利用の先進地」と紹介してくれました。


 もう一人のパネリストは、日本温泉地域学会理事長の濱田眞之氏です。


 最初に別府市温泉課の中村さんから、2016年以来3年連続で実施している「せーので測ろう!別府市全域温泉一斉調査」の目的、実際の活動内容、これまでの成果、今後の課題と展望の報告がありました。






 パネリストの山本氏は、モニタリングとデータ収集を継続的に行う事が重要。旅館・ホテルなどの温泉管理者による日々のチェック内容を把握できれば、よりタイムリーな情報になりうるとの提言がありました。


 次に別府市環境課環境企画室の堀さんより、「温泉発電に対する市の取り組みについて」の報告がありました。温泉資源の保護のため、①アボイドエリアの追加、②掘削前にモニタリングの実施や地熱資源調査の実施、事前説明会の開催などを行う事の義務付け、③別府市温泉発電等対策審議会での事前審査を行う等の、市条例の一部を改訂が実現しました。





 また、県に対し温泉掘削を規制する特別保護地域と保護地域のエリア拡大を建議し、県環境審議会温泉部会は、内規の改正が実現したとの報告がありました。


 最後に大分県生活環境部自然保護推進室長の橋本さんより、「別府市の温泉資源保護対策について」の報告があり、①地域規制、②距離規制、③口径・深度規制、④動力規制の4つの規制により、「おんせん県おおいたの基盤となる温泉資源を将来にわたって持続可能な利用ができるよう、必要な保護対策に取り組んでゆきます。」と結ばれました。


 事例紹介に時間が割かれ、パネリストによるディスカッションの時間が十分に取れなかったのが惜しまれますが、将来にわたって別府の温泉資源を守って行こうとする強い意志の感じられるシンポジウムであったと思いました。

 第2講は、研究発表 ㈱バスクリン製品開発部開発3グループ長薬学博士石澤太市氏による「温泉成分と日々の健康入浴法」です。()バスクリンの研究結果を踏まえ、健康維持に適した入浴法等の紹介がありました。







 午後一番の第3講は、「新・観光立国論」の著者のデービッド・アトキンソン氏による講演「温泉地別府でのインバウンド向け体験型観光」でした。





 これから人口減少社会になっていく日本にとって、インバウンドとりわけ欧米からの長期滞在者の存在が重要で、体験型アクティビティの提供や、受入れ態勢の整備等についての提言がありました。日本の持つ最大の強みは「自然」であり、日本ほどに「多様性」のある自然を持つ国はないと喝破されました。


 「少子化が経済の足を引っ張る日本。出生率は、すぐには上がりません。移民政策は、なかなか受け入れられません。ならば、外国人観光客をたくさん呼んで、お金を落としてもらえばいいのです。
この国には、
世界有数の観光大国になれる、潜在力があるのですから。



 日本の潜在力と世界の観光産業の隆盛を考えれば、
2030年までに8200万人を招致することも、決して不可能ではありません。それを成し遂げることで、日本経済には「第2の高度成長期」が訪れるのです。」と提言されました。


 そして狙うべきは韓国・中国・台湾などの近隣諸国ではなく、欧米の長期滞在者なのであり、彼らは体験型アクティビティを求めているということです。

 第4講は、日本航空㈱経営企画本部地域活性化推進部 部長竹田亨氏の講演会「温泉とビジネスパーソンの業務効率向上」でした。





 JAL職員に、4泊5日の鉄輪温泉滞在中にテレワークと、温泉、食、観光を組み合わせたモニターツアーに参加させ、旅行も仕事も両立させ、さらに環境を変えて仕事をすることで業務効率を上げる新しい働き方についての講演でした。

 

 最後は、国立病院機構西別府病院の松田貴雄による講演会「トップアスリートと連携した温泉入浴によるリカバリー効果の検証」でした。



 松田医師の監修のもとで、競輪選手やパラアスリートをモニターとし、温泉入浴と睡眠に関する実証実験を行った結果の講演でした。筋肉量が多いアスリートは、気温が高い夏場の睡眠が浅く、疲労回復が難しいことが懸念され、温泉入浴を効果的に取り入れることで、睡眠が深くなり、リカバリー効果を高めることが出来ることを、科学的に検証した成果の発表でした。


 ゲストとして、松田医師に指導を仰いでいる日本競輪選手会大分支部所属の大竹慎吾選手と、日本パラ・パワーリフティング連盟アスリート委員会委員長の城隆志氏 も登壇されました。

 10:00から17:00までの長丁場のシンポジウムでしたが、内容がバラエティに富んでおり、飽きることなくすべてを拝聴しました。時間配分がタイトで、質疑応答の時間がなかったのが残念でした。講師と参加者の意見交換を、このシンポジウムの眼目にしたいものです。   

海心堂

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